上部消化管内視鏡検査は直径5.9mm程の細い管を鼻もしくは口より挿入し、上部消化管(食道・胃・十二指腸の途中まで)を詳細に観察し、診断する検査となります。
検査中はできるだけゲップを我慢してください。ゲップが出ると検査時間が長くなってしまいますし、また不十分な検査となってしまいます。検査中に、必要な場合は鉗子という器具を用いて、約2mm大の組織を採り、顕微鏡検査を行う場合があります(生検と言います)。
検査後は口からであれば検査後一時間以上、鼻からであればすぐにでも、喉のしびれが取れたら水分を摂っていただきむせ込まなければ軽食を摂っていただいて構いません。
ただし、生検を受けられた場合は口からでも鼻からでも検査後二時間以上たってから水分や軽食を摂ってください。検査当日の飲酒・刺激物および喫煙は避けてください。
検査には偶発症の可能性があり、出血・穿孔(穴が開くこと)や、喉・鼻の麻酔薬によるアレルギー性ショック、鼻からの場合は鼻出血などが主な偶発症です。
日本消化器内視鏡学会が調査した偶発症の頻度は、0.005%(2万人に1人)、死亡率は0.00019%(53万人に1人)でした。万一、偶発症が発生した場合は適切に処置・治療をさせていただきます。治療の中には入院治療・緊急開腹手術治療が必要となるような場合もあります。
平成27年より原則として当院では上部消化管内視鏡検査の方には鎮静剤・鎮痛剤の使用はしておりません。使用している内視鏡が非常に細い内視鏡であるため苦痛が少ないことと、検査中にできるだけリアルタイムで自分の消化管の中をご覧いただきこちらからは説明・御本人からは質問をしていただけることのメリットが大きいという当院でのアンケート結果に基づくものです。
ただし、どうしても御希望のある場合には、直接スタッフまで御相談ください。
検査の機械・処置具による感染の予防・安全のため検査前に血液検査にて感染症(具体的にはB型肝炎・C型肝炎・梅毒)を確認するとともに薬剤使用による肝機能障害・腎機能障害・血球減少を避けるために血液検査を行わせていただいております。
また、通常は使用しませんが、検査の際の胃腸の動きが強い場合は動きを止める注射(鎮痙剤といいます)を使用することがあります。
その際に心臓に持病のある方は不整脈などを認めることがあるため、安全のために検査前に心電図検査を施行させていただいております。尚、この鎮痙剤を使用した場合は当日の自転車・車を含めた乗り物の運転や危険な仕事などは避けてください。