自己免疫という自分自身を攻撃してしまう免疫により慢性的(長い時間をかけて)膵臓に炎症を起こすことにより、膵臓が腫れたり硬くなって来たりする病気です。日本では推定で800~900人の患者さんがいると言われています。
日本に多いIgG4関連疾患である1型と欧米に多い2型に分類されます。1型は高齢男性に多く、2型は比較的若年に発症し男女差はありません。
軽い腹痛・背部痛あるいは無痛性黄疸などで発症し、悪性腫瘍などを否定できればステロイドによる治療を行う。ステロイドが著効し、膵臓の腫れなどは良くなるものの減量や中止により再燃することもあります。無症状であれば、治療をしなくても自然軽快する例も報告されています。
長期予後についてはまだ明らかではない部分も多く、慢性膵炎に移行するという報告や膵癌を合併するという可能性が言われており、いずれもしても厳重な経過観察が必要である病気です。