肝硬変は慢性的な肝臓の炎症により線維という物質が作られ肝臓が硬くゴツゴツとしてきた状態となってしまう状態です。原因はB型肝炎・C型肝炎などのウイルス性、アルコール性、非アルコール性脂肪性肝障害、自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎などの自己免疫性、その他特殊なものと分かれます。
肝臓癌と同様にウイルス性に対して相対的にアルコール性や脂肪肝からの割合が増加している傾向にあります。
徐々に進行していくと肝臓が硬くなり肝臓への血流が流れにくくなることから食道静脈瘤・痔静脈瘤・脾腫などを起こして来たり、肝臓の機能が低下してきて来ることから低栄養・黄疸・肝性脳症をきたしたり、両方の理由から腹水などが起こってきてしまいます。また、肝硬変の重篤な合併症は肝臓癌・食道静脈瘤破裂・肝不全などもあります。
肝硬変の重症度分類ではChild-Pugh分類というものがあり、A・B・Cの三段階に分類されます。Aが最も軽症でCが最も重症です。2015年の厚生労働省のデータでは最も重症なCの方は三年後に30.7%しか生存していなかったのに対して、最も軽症のAの方は三年後に93.5%の方が生存していたという報告もあり、肝硬変であってもその進展を抑えることによりその後の予後を延ばすことができると考えられます。
現在は肝硬変でも使用することができる抗ウイルス剤や禁酒などによっても進展を抑えることが可能です。
肝硬変と診断されても合併症の管理を行いながら、進展を防ぐような治療を行うことで予後を延ばすことができるようになってきております。