かつては口から進めても肛門から進めても最も遠くにあり検査を行うことが困難であったことから暗黒の臓器を言われていた小腸も、最近ではカプセル小腸内視鏡やダブル(シングル)バルーン小腸内視鏡が開発されたことにより多くの病気が見つかるようになってきています。
主に上部消化管内視鏡検査・下部消化管内視鏡検査を行っても原因不明の消化管出血の原因を検索するために調べられることが多く、angiodysplasiaやangiectasiaと呼ばれるような異常血管・小腸腫瘍・小腸ポリープ・クローン病やベーチェット病といった炎症などがあります。
異常血管は小腸では多発する傾向が多く、しっかりと治療をしないと繰り返してしまうという報告があります。小腸腫瘍は全消化管の癌では約2%と決して多くはありませんが、腫瘍の60%が癌と悪性度が高いです。
小腸ポリープは腫瘍性でないものであっても腸重積(腸の一部がさらに腸に潜り込んでしまって食べ物が通らなくなってしまった状態)や貧血の原因となることがあって治療を必要とすることもあります。クローン病やベーチェット病は慢性の病気であり、継続して治療する必要があります。
このようなものに対して、当院ではカプセル型小腸内視鏡検査を行って検査をしております。ただし、腸の通過障害を疑うような方は行えない、あるいは前もって通過を確認するようなパテンシーカプセル(使用するカプセルと同じ大きさですが、時間が経つと溶けてくるカプセル)を使用して通過確認をさせていただく場合がございます。