癌にかかり率(罹患率)・癌で亡くなる率(死亡率)ともに40歳台後半から増える傾向にあり、特に男性では急激な増加を認めます。罹患率・死亡率ともに男性の方が高く、女性の5~6倍になります。
死亡率は男女ともに徐々に漸減傾向にありますが、罹患率は女性は減少傾向にあるのに対して、男性は1975年以降増加傾向にあります。アルコール・タバコが明らかなリスクとして考えられており、特に扁平上皮癌では両方あると相乗的に作用すると言われています。また、熱い飲食物がリスクを増やすとも言われています。
一方、欧米で急激に増加している食道腺癌は胃食道逆流症やそれによるバレット食道が原因といわれています。
罹患率の割に死亡率が高く、男性では部位別死亡率の第6位になります。これは自覚症状が少ないため早期発見が難しく、リンパ節や血管に転移しやすいことも原因となります。胃癌よりは条件は厳しくなるものの、早期癌であれば内視鏡切除を行うことも可能です。
アルコール・タバコ、特に両方をされる方・熱いものが好きな方・逆流症状がある方は定期的に上部消化管内視鏡検査を行い、早期発見に努めるようにお勧めいたします。