頻度は10万人に一人と言われていますが、近年の内視鏡機器の進歩により軽症での方も診断できるようになり消化器内科ではそれほど珍しくはない病気です。
食道壁内のアルエルバッハ神経叢といわれる自律神経の集まりの障害により、飲み込んだ時に噴門(胃の入口)の弛緩障害(開かない)を認める病気です。それにより嚥下困難・嘔吐・食道内容物の口腔内逆流・夜間の咳嗽・胸痛(食道の強い収縮による)を生じます。
治療は薬物療法・バルーン拡張術・外科治療などがありますが、薬物療法は比較的軽症では行われることがあるものの効果は不十分なことが多く、バルーン拡張術や外科治療となることが多いです。
食道扁平上皮癌を合併することが多いため、上部消化管内視鏡検査での定期的な経過観察が重要となります。