どちらもお小水が近くなる病気ですが、原因が異なりますし、細かく診ていくと症状も異なります。
前立腺は男性にしかありませんので、前立腺肥大症は男性にしか起こりませんが、過活動膀胱は男女どちらにも起こります。また、双方を合併することもあります。
過活動膀胱は急に漏れそうで我慢できないほどの尿意を感じたり、漏れてしまったり、トイレが近かったり、夜トイレに起きたりします。
症状が気になる方は、過活動膀胱診療ガイドラインに以下の項目があります。
質問①：朝起きた時から寝る時までに何回ぐらい尿をしましたか？
７回以下 ０点・８～１４回 １点・１５回以上 ２点
質問②：夜寝てから朝起きるまでに何回ぐらい尿をするために起きましたか？
０回 ０点・１回 １点・２回 ２点・３回以上 ３点
質問③：急に尿がしたくなり我慢が難しいことがありますか？
なし ０点・週に１回よりも少ない １点・
週に１回以上 ２点・１日１回ぐらい ３点・
１日２～４回 ４点・１日５回以上 ５点
質問④：急に尿がしたくなり我慢できずに尿を漏らすことがありますか？
なし ０点・週に１回よりも少ない １点・
週に１回以上 ２点・１日１回ぐらい ３点・
１日２～４回 ４点・１日５回以上 ５点
質問③が２点以上で、合計点数が３点以上の場合は過活動膀胱の可能性がありますので、病院へ受診されることをお勧めいたします。
治療は薬を使う方法（飲み薬が主ですが、貼る薬もあります）や行動療法（体重減少や骨盤底筋体操など）があります。
前立腺肥大症は尿の出始めに時間がかかる・尿が途中で途切れるなどの排尿に関する症状、尿が近い・尿が漏れるなどの尿をためることに関する症状、尿が残っている・終わったと思ったのに下着に尿が付着するなどの排尿後の症状があります。原因は前立腺が大きくなることにより起こりますが、前立腺は年齢とともに大きくなり50代から増加してきます。
国際前立腺症状スコアというものがあり、残尿感・頻尿・尿意切迫感・夜間頻尿・尿線途絶・尿勢低下・努責排尿の７項目からなり、それぞれ症状により６段階評価を行います。まずはこれらに該当する症状があれば、病院へ受診されることをお勧めいたします。
治療は尿が流れるようにすることが目的で薬を使う方法が基本となります。それでも改善が乏しい場合は手術療法もあります。
