よしひさ内科クリニック|一般内科、消化器内科、内視鏡内科

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慢性腎臓病(腎機能障害)

■慢性腎臓病について

  腎臓というのは、両方の背中側にある臓器で、左右に1個ずつあります。大きさは約12×6×3cmぐらいで、重さは120~150g程度です。右の腎臓の方が肝臓があるためやや低い位置にあります。
慢性腎臓病について
  腎臓は尿を作っている臓器と思われている方も多いと思いますが、もちろんその働きもありますが、他にも色々な働きをしています。まずは尿を作るのですが、腎臓の糸球体という糸玉のように血管がまとまったところがあり、そこで老廃物が濾しだされます。

   その後、尿細管という管を流れている間に、必要な成分が再び血液に再吸収をされていき、最終的な尿が作られます。この単位をネフロンといい、これが片方の腎臓に約100万個ずつあります。

   その他にも働きがあり、血圧調節・電解質バランスの調節をしたり、貧血や骨粗鬆症と関連したりします。血圧調節は、腎臓において水分のバランスや塩分のバランスをとることで血圧を一定に調節し、低い場合には血圧をあげるホルモンを分泌します。同様に塩分だけではなく、他の電解質のバランスをとる働きもあります。

   腎臓からは血液を作るホルモン(エリスロポエチン)を分泌しており、腎機能障害でこのホルモンが出なくなると貧血になっていきます。さらに腎臓ではカルシウムの吸収にかかわる活性型ビタミンDをビタミンDから作っています。

   このように腎臓はとても多くの仕事をしている臓器ですので、腎臓がダメージを受けて腎機能障害となると色々な症状を認めてきてしまいます。この腎機能障害が慢性(3か月以上)続く状態を慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKDと呼ばれます)といいます。
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  慢性腎臓病は生活習慣病とも関連しており、進行すると透析療法に至ってしまう可能性があります。日本では20歳以上の8人に1人が慢性腎臓病と言われており、決して少なくはない病気です。平成30年度からは国の特定健診において、慢性腎臓病の早期発見を目的として血清クレアチニン値が必須検査となっております。

   他の多くの臓器と同様に一度働きが悪くなった腎臓は元に戻ることはありません。そのために早期発見・早期治療によりそれ以上の進行を抑えていくことが重要となります。

■原因、治療について

  慢性腎臓病は、慢性糸球体腎炎・糖尿病性腎症・高血圧による腎硬化症・先天性の腎臓病などの様々な慢性的に腎障害を起こしえる病気が原因となっています。

  この原因となる病気に加え、血液検査・尿検査などを行い、重症度を分類します。
治療の基本はまずは生活習慣の改善です。禁煙・大量飲酒を控える・定期的な運動などを行うとともに、食事では十分なエネルギー量を維持したうえで、塩分を控え、蛋白質も原則は控えるように指導します。

  さらに進行するとカリウム・リン・水分に対する制限も出てきます。薬ではまずは血圧を下げる降圧剤を用いることとなります。糖尿病が合併しているか否かで血圧の目標値は異なります。

  血圧の目標値は糖尿病合併であれば130/80mmHg以下、糖尿病がなければ140/90mmHg以下です。他には高カリウム血症・高リン血症・低カルシウム血症・高尿酸血症などに対して補正をするような薬を用いたり、貧血あがあればエリスロポエチン製剤・浮腫みなどがあれば利尿剤などを使用していきます。さらに進行すると透析療法や腎臓移植などに至ることもあります。

  そのためにも前述したように、早期発見・早期治療が重要となりますので、健康診断・ドックなどにて指摘された場合は、早めにお近くに病院・クリニックを受診して相談するようにしましょう。まずは内科を受診されることをお勧めいたします。
よしひさ内科|原田院長
お問合せはTEL: 03-5327-5577
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