潜伏期間は2~3週間。初期症状は発疹の出現する1~5日程度前で、微熱・頭痛・倦怠感・鼻汁・咳嗽・特徴的な痛みのない口の中の斑点・リンパ節腫脹などを認めます。特に成人においては約90%程度にリンパ節腫脹を認めると言われています。
発疹は赤い点状の発疹で、顔や耳後部から出現し次第に全身に拡がり、3~5日程度で消退します。発熱は38~39℃台の発熱が3日程度続くことから「三日はしか」とも呼ばれます。成人では小児よりも重症になることも多く、発熱も5日程度続くこともあります。
感染経路は飛沫感染・接触感染となり、感染の期間は発疹出現前約1週間~発疹出現後4日程度です。学校保健安全法では全ての発疹が消退するまでは出校停止となります。2012~2014年にかけてワクチン未接種者を中心に流行し、東京都でも2013年には3000人を超える患者さんが出ました。例年でも東京都で20名前後の患者さんが発生しております。
潜伏期間は1~2週間。初期症状は38℃前後の風邪のような症状が3・4日続きます。この時期をカタル期といい、最も感染力の強い時期です。口の粘膜には特徴的な白い斑点を認めることがあります。
その後、一度解熱をするのですが、約半日程度で39~40℃台の発熱とともに発疹が出現します。発疹は顔や体幹から出現し、四肢末端まで出現していきます。発疹や3日程度で消退していきます。
感染経路は空気感染・飛沫感染・接触感染となり、感染は解熱後2日程度までは感染すると言われています。学校保健安全法では解熱後3日を経過するまでは出校停止となります。
東京都では2014年頃までは毎年100名程度の患者さんが出ておりました。以降は減り、2015年にWHOが日本を麻疹の「排除状態」にあると認定しました。2016年に海外での感染者が国内を移動することにより感染が拡がったことがあります。
予防はこちらも予防接種となります。前述の風疹と併せて麻疹・風疹混合ワクチンが摂取されることもあります。風疹のように先天性風疹症候群はありませんが、妊婦さんが感染すると流産の可能性があります。
麻疹は発症者の数万人に1人と頻度は少ないものの、感染後7~10年してから知能障害や運動障害認められ、徐々に進行していく亜急性硬化性全脳炎という予後不良の脳炎を発症することがあります。